海外ミステリ・レビュー

……新旧の積ん読本を崩しつつ

2016-04-20から1日間の記事一覧

「友よ、戦いの果てに」ジェイムズ・クラムリー

唖然とするほどの駄作である。 クラムリーの「不幸」とは、初期作品で過分な評価を受け、一気に神格化されてしまったことにある。ハードボイルド小説としては異端のはずのクラムリーが正統派として売り出されるほどに、出版界はチャンドラーの後継者探しに躍…