海外ミステリ・レビュー

……新旧の積ん読本を崩しつつ

2018-06-22から1日間の記事一覧

「アンドロメダ病原体」マイクル・クライトン

才人クライトン1969年発表作。分野はSFとなっているが、不可解な謎の正体を探るサスペンス/スリラーとして読んでも何ら違和感はない。物語を要約すれば、墜落した米軍の人工衛星に付着していた未知の病原体によって人類絶滅の危機が迫る中、予め選ばれた…

「ノース・ガンソン・ストリートの虐殺」S・クレイグ・ザラー

ヴァイオレンス主体の無味乾燥な凡作で、カタルシスも無く、単に下劣な作品といった印象。米国片田舎にある腐敗した警察と町に蔓延るギャング団とのケンカ/縄張り争いを描いているのだが、「やられたら、やりかえす」という短絡的な復讐の連鎖のみで展開し…