海外ミステリ・レビュー

……新旧の積ん読本を崩しつつ

2018-07-09から1日間の記事一覧

「コリーニ事件」フェルディナント・フォン・シーラッハ

短編集「犯罪」によって一躍名を馳せたシーラッハ初の長編で2011年発表作。戦後ドイツが抱える国家的/人道的諸問題を鋭く抉り出した本作は、現代ミステリとしてよりも戦争文学/社会小説としての読解を求める。シーラッハ自身の祖父が紛れもない戦争犯罪者…