海外ミステリ・レビュー

……新旧の積ん読本を崩しつつ

2018-12-26から1日間の記事一覧

「音の手がかり」デイヴィッド・ローン

1990年発表作。主人公は元音響技師ハーレック。映画撮影中の事故で全盲となるが、聴覚はより一層鋭敏となり、繊細な音の違いを聞き分ける能力に長ける。さらに、記録した音から実体を掴み取るテクノロジーにも精通する。以上が前提となり、リアリティよりも…

「カメンスキーの〈小さな死〉」チャールズ・マッキャリー

米国諜報機関工作員ポール・クリストファーシリーズ1977年発表作。翻訳数が少ないため一概には言えないのだが、マッキャリーは一作ごとに趣向を凝らしており、同一の主人公でありながらも随分と印象が異なる。基本軸は、激動の国際情勢を背景に謀略の渦中へ…