海外ミステリ・レビュー

……新旧の積ん読本を崩しつつ

「ディーケンの戦い」ブライアン・フリーマントル

緻密な構成のプロットに唸る上質のスリラー。冷戦下ソ連工作員の暗躍により、捨て駒となって滅んでいく元敏腕弁護士ディーケンの悲劇を描く。南アフリカイスラエルナミビアサウジアラビアなど各国の荒んだ状況を巧みに織り交ぜながら、反政府組織や武器商人、傭兵らと共に狂った乱舞を続けるディーケンの造型には、フリーマントルのサディスティックなまでの人間不信が表現されている。

評価 ★★★★

 

ディーケンの戦い (新潮文庫)

ディーケンの戦い (新潮文庫)