海外ミステリ・レビュー

……新旧の積ん読本を崩しつつ

「深夜特捜隊」デビッド・グーディス

派手さは無いが、渋い犯罪小説の書き手としてのグーディスの実力が窺える作品。
悪徳警官である主人公と、貧民街を牛耳るギャングのボス、その破滅を目論む警察のはぐれ組織、ギャングの隠し財産を狙う小悪党ども、それぞれの思惑、過去の人生が交差、絡まりつつ物語は進行し、一切の精算を果たすともいうべき結末まで、キレイに仕上げている。
特に、深夜特捜隊のボスの語る様々なエピソードが印象に残った。

評価 ★★★

 

深夜特捜隊 (創元推理文庫 M ク 7-1)

深夜特捜隊 (創元推理文庫 M ク 7-1)