海外ミステリ・レビュー

……新旧の積ん読本を崩しつつ

「テロリストに薔薇を」ジャック・ヒギンズ

IRA闘士二人を主人公とした冒険小説。
活劇よりも、ヒロイズムとロマンティシズムに比重を置き、まさにヒギンズ節全開の作品だ。
但し、敵役がやや弱く、ストーリーもサスペンスに欠ける。
己の信条のままに突き進む登場人物たちは、良くいえば格好良いのだが、もう少し非情な面も欲しく、いつかどこかで読んだかのようなデジャブも多々感じていた。多くの作品を著したヒギンズだけに、マンネリズムに陥るのは仕方のないことか。

評価 ★★★

 

テロリストに薔薇を (ハヤカワ文庫NV)

テロリストに薔薇を (ハヤカワ文庫NV)