読み終えて、どうもすっきりしないのは、やはりカタルシスが不足しているからだろう。
ド派手なカーチェイスによる幕開けと謎の呈示は期待を持たせたが、その後の展開は淡々としてサスペンスに欠ける。決着の内容も妥協であり、権力の不正を暴き、トドメをさすものではない。
たぶん、イアン・ランキンはリアリストなのだろう。
骨太な主人公リーバスの魅力ひとつで引っ張る作品。
評価 ★★☆
血の流れるままに―リーバス警部シリーズ (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)
- 作者: イアンランキン,Ian Rankin,延原泰子
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1999/04
- メディア: 新書
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