海外ミステリ・レビュー

……新旧の積ん読本を崩しつつ

「闇に消える 」ジョゼフ・ハンセン

デイブ・ブランドステッター第1作。
同性愛者の絡む事件を、同性愛者である保険会社調査員が追うという、当時としては斬新な設定ながら、ネオ・ハードボイルドの新鋭として好評を得ていた。全作品が翻訳されるという栄誉を授かっていることからも、安定した数の愛読者がいたのだろう。
文体は渋く、主人公の言動も淀みがないが、直接的な愛を語られると、ちょっとひいてしまい、いまひとつ乗り切れなかった。

評価 ★★

 

闇に消える (ハヤカワ・ポケット・ミステリ 1415)

闇に消える (ハヤカワ・ポケット・ミステリ 1415)