海外ミステリ・レビュー

……新旧の積ん読本を崩しつつ

「殺す警官」サイモン・カーニック

荒削りながらも筆力があり、サスペンスの盛り上げ方が巧い。
いわゆる悪徳警官物だが、正義感に溢れている割には、悪党どもの手のひらで意図も簡単に転がされ、挙句は自らの手で死体の山を築いていくという、ブラックユーモア的な面白さがあった。
しかし、よく拳銃の引っかかる男だ。
てっきり、自滅して果てるかと思ったが、続編はあるのだろうか。

評価 ★★★☆

 

殺す警官 (新潮文庫)

殺す警官 (新潮文庫)