海外ミステリ・レビュー

……新旧の積ん読本を崩しつつ

「硝煙に消える」ジョージ・P・ペレケーノス

この作家、初読。
随所に光る部分はあるものの、主人公の行き当たりばったりな行動に共感できなかった。結局、何がしたかったのか。友人を無茶な取り引きに巻き込み、死なせておいて感傷に耽られる感覚が分からない。謎解きも唐突で違和感がある。
ハードボイルドではない。といって、ノワールでもない。ロックに興味が無いと、この作品の面白さが分からない…そんな免罪符がある時点で、駄目であろう。誰一人として感情移入出来ないままに読み終えた。

評価 ★