海外ミステリ・レビュー

……新旧の積ん読本を崩しつつ

「闇よ、我が手を取りたまえ」デニス・レヘイン

探偵パトリック&アンジーシリーズ第2作。

 解説ではチャンドラーを継ぐハードボイルドの新鋭として捉えらていたらしいが、本作を読む限り作者にその意図は無いようだ。より現代的なスタイル、熱い語り口、事件を通して微妙な恋愛感情に揺れ動く二人。

主人公を含め、主要な登場人物全てが過去になんらかの傷を持っている。最初から最後まで暗く重いムードが漂い、容赦のない人間の暴力への衝動を生々しく描き出す。

評価 ★★★★★

 

闇よ、我が手を取りたまえ (角川文庫)

闇よ、我が手を取りたまえ (角川文庫)