海外ミステリ・レビュー

……新旧の積ん読本を崩しつつ

前口上

ミステリを愛読して二十数年経つ。

本ブログには、2014年8月頃から新旧問わず読み続けた海外ミステリのレビューを掲載している。いわゆる古典的な推理小説や、メジャーな作品が少ないのはそのためで、それ以前に読んだ本については、再読などしながら改めて感想を綴りたい。

言わずもがなだが、個人のレビューは世間的な評価や評論家諸氏の「ご高説」とは無縁であり、私の駄文もまた現在までの読書経験と嗜好に左右されている。世評に高い小説が、どうしようもない屑と感じることもあるし、大した評価も得られずに忘れ去られてしまった作品の中に素晴らしい傑作を見出すこともある。

出版界は「冬の時代」に入り、一時は隆盛を誇った翻訳ミステリに至っては「氷河期」の状態である。けれども極一部の作家を除き、日本のミステリよりも遥かに海外の作品が優れていることは、一〝読〟瞭然であり、本ブログを通して片隅に追いやられた海外ミステリの素晴らしさを少しでも伝えていけたらと思う。

 

ちなみに、私が最も愛するミステリ作家とは、ロス・マクドナルドであり、結城昌治である。これで、すべて見透かされるはずだ。