海外ミステリ・レビュー

……新旧の積ん読本を崩しつつ

「キラー・エリート」ロバート・ロスタンド

軽快な活劇で読ませるアクション小説。作者が意図したかどうかは定かではないが、設定にギャビン・ライアル「深夜プラス1」との共通点が多々見られる。即ち、訳ありの要人を護衛しつつ期限内に目的地まで運ぶチームと、その阻止を謀るプロの殺し屋集団との闘い。適度なカーチェイスを盛り込み、米国国務省の情報部SYOPSの任務中に暗殺者によって半殺しの目にあわされた主人公の復讐劇として描く。 老いた夜盲症のドライバー、血の気の多い同性愛者のガンマンなど、登場人物にも工夫を凝らす。シリーズ化されたようだが、翻訳は本作のみ。

評価 ★★★
 

 

キラー・エリート (ハヤカワ文庫NV)

キラー・エリート (ハヤカワ文庫NV)