日本でも人気の高いスティーヴン・ハンターのデビュー作。1945年、敗戦の色濃いドイツを主な舞台に、特命を帯びた親衛隊の狙撃手と、その目的阻止に動く米英の軍人との闘いをメインに描く。ハンターの銃器に対する偏愛は既に横溢しており、開発中であった「赤外線暗視装置」という代物が重要な役割を与えられている。狙撃のシーンは流石の描写ながら、登場人物にさっぱり魅力が無く、プロットも緊密さに欠ける。ドイツ人の狙撃手が誰を標的にするのか、その理由も含めてラスト近くまで引っ張るのだが、明かされた内容は拍子抜けで、とてもマスター・スナイパーとは思えない間抜けな〝オチ〟も、気が利いているとはいえない。
評価 ★☆
- 作者: スティーヴンハンター,Stephen Hunter,玉木亨
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2000/09
- メディア: 文庫
- 購入: 1人 クリック: 4回
- この商品を含むブログ (8件) を見る