海外ミステリ・レビュー

……新旧の積ん読本を崩しつつ

「地底のエルドラド」ウィルバー・スミス

 骨太な冒険小説で人気のウィルバー・スミス1970年発表作。南アフリカの金鉱山を舞台に、地底のエルドラド(黄金郷)を巡る男たちの熱い闘いを描く。主人公は鉱山の現場監督を任されている野心に溢れたロッド。部下からの信頼も厚く次期所長として有望株だったが、処世術に長けた鉱山会社次期社長候補の策略に嵌められていく。
地底奥深く、坑内で作業する男たちの息苦しさまでも伝えるスミスの描写力は流石だ。ひとつ判断を誤れば天然ガスに引火して爆発、崩れ落ちた岩石に押し潰されて作業員らが息絶えていくシーン、禁断の地層を突き破り膨大な量の地下水が坑道を流れていくクライマックスなど、臨場感に溢れダイナミックに表現している。
評価 ★★★

 

地底のエルドラド (創元推理文庫 258-1)

地底のエルドラド (創元推理文庫 258-1)