海外ミステリ・レビュー

……新旧の積ん読本を崩しつつ

2015-10-21から1日間の記事一覧

「卵をめぐる祖父の戦争」デイヴィッド・ベニオフ

邦題は暗喩なのだろうと漠然と思っていた。だが冒頭を読み進めた段階で、捻りも無く物語をそのままに表したものだと判る。日常から卵が消えた街。つまりは人間社会が存続するために不可欠な家畜などの生き物が失われた世界である。1942年、ナチス・ドイツに…