海外ミステリ・レビュー

……新旧の積ん読本を崩しつつ

2019-08-17から1日間の記事一覧

「東の果て、夜へ」ビル・ビバリー

2016年発表作。内外で高い評価を得ており、犯罪小説/ロードノベル/少年の成長物語と、様々な読み方ができる作品だ。全編を覆う青灰色のトーン、凍てついた冬を背景とする寂寞とした空気感。筆致はシャープで映像的。主人公の心の揺れを表象する内省的な情…