海外ミステリ・レビュー

……新旧の積ん読本を崩しつつ

2020-02-05から1日間の記事一覧

「コパーヘッド」ウィリアム ・カッツ

唖然とした。あまりにも冷酷無比な結末に衝撃を受けたのだが、これほど後味の悪い読後感を残すストーリーは稀だろう。荒唐無稽な娯楽小説と割り切ってもなお、社会的倫理を唾棄し、タブーであるはずの境界を躊躇なく踏み越えるカッツという作家の得体のしれ…