海外ミステリ・レビュー

……新旧の積ん読本を崩しつつ

2020-09-04から1日間の記事一覧

「スパイよ さらば」ブライアン・フリーマントル

すべては生きるためだった。大戦終結後、ナチス・ドイツが併合していたオーストリアは英仏米ソが分割占領した。同時にウイーンは各国諜報機関の主戦場となった。ナチ戦犯追及機関の職員フーゴ・ハートマンは、頭脳明晰な現地工作員を求めていたKGBに勧誘…

「ハント姉妹殺人事件」クラーク・ハワード

1973年発表作。何とも素っ気ない邦題(原題は「killngs」)だが、警察小説の魅力を存分に堪能できる力作だ。舞台はロサンゼルス。或るアパートでハント姉妹が惨殺された。二人は一卵性双生児だった。死体は上下逆の向き合った状態で互いの頭と足を結ばれてい…