海外ミステリ・レビュー

……新旧の積ん読本を崩しつつ

2020-03-23から1日間の記事一覧

「拷問と暗殺」デイヴィッド・L・リンジー

1986年発表、ヒューストン市警殺人課刑事スチュアート・ヘイドンシリーズ第三弾。フォーマットは警察小説だが、これまでよりも主題を拡げ、政治色を強めている。 白昼堂々ヒューストンの路上で、メキシコ人の事業家ガンボアを狙った暗殺未遂事件が起きる。暗…

「緋色の研究」コナン・ドイル

シャーロック・ホームズ初登場の長編で1887年発表作。〝名探偵の代名詞〟として今も世界中に浸透している訳だが、私見としては、謎解きの面白さをシャープに伝えるミステリの原型を整えたことが本シリーズ最大の貢献だと考えている。本作は、総じて批評家ら…