海外ミステリ・レビュー

……新旧の積ん読本を崩しつつ

2021-07-01から1ヶ月間の記事一覧

「マンハンター」ジョー・ゴアズ

舞台はサンフランシスコ。或るアパートの一室で、たった今素手で殺した南米人の死体を見つめる大柄な男。傍には17万5千ドルとヘロイン1キロ。それを無造作にアタッシュケースへ詰め込む。男の名はドッカー。買い手側の代行者だった。間もなくして麻薬の鑑定…

「噛みついた女」デイヴィッド・リンジー

ヒューストン警察殺人課刑事スチュアート・ヘイドンシリーズ第1弾で1983年発表作。ディテールに拘った重厚な筆致で現代社会の病巣を抉り、ハード且つハイボルテージな警察小説として読み応えがある。 原題は「冷血」。狂犬病ウィルスを用い、街の娼婦を次々…