海外ミステリ・レビュー

……新旧の積ん読本を崩しつつ

2020-06-22から1日間の記事一覧

「緊急深夜版」ウィリアム・P・マッギヴァーン

経験上、新聞記者を主人公とするミステリは秀作が多い。加えて、作者自身が経験豊かな元ジャーナリストであれば、まずハズレはない。マッギヴァーンも、その一人。悪徳警官物の先駆「殺人のためのバッジ」(1951)や、レイシズムに切り込んだ名篇「明日に賭け…

「キングの身代金」エド・マクベイン

息子を返してほしければ、50万ドル用意しろ。若い男二人組が犯罪を実行に移す。大手靴製造会社重役キングの自宅から少年を連れ去り、脅迫電話を入れた。事は順調に運んだ。ただひとつ、最低最悪のミスは別として。誘拐したはずのキングの長男ボビーは、まだ…