海外ミステリ・レビュー

……新旧の積ん読本を崩しつつ

2018-07-29から1日間の記事一覧

「逆転のベルリン情報」L・クリスチャン・ボーリング

1985年発表作。垢抜けない邦題もあってか、翻訳された当時は全く話題になっていなかったが、冷戦期の分断ドイツを舞台としたスパイ小説の力作である。長いプロローグとなる前半で下地をつくり、26年後の二重スパイ狩りへと繋ぐ。壁の築かれた東西ベルリンの…