2019-05-04 「エスピオナージ」ピエール・ノール スパイ/冒険小説 冷戦期の非情な諜報戦を描いた1971年発表作。現題は「十三番目の自殺者」。ソ連高官の亡命をめぐる東西諜報機関の腹の探り合いを主軸に、同時期に続発した西側高級官僚の不可解な死の謎を絡めて、四部構成でじっくりと緊張感を高めていく。終盤では全ての伏線を回収して、真相を明快に解き明かし、見事なスパイ小説に仕上げている。フランス人作家ならではの屈折したツイストも大胆で刺激的だ。評価 ★★★☆☆ エスピオナージ (1973年) 作者: ピエール・ノール,竹尾淳 出版社/メーカー: 角川書店 発売日: 1973 メディア: ? この商品を含むブログを見る