テイストはハードボイルドだが、練り込まれたプロットと真相が明らかになるにつれ追い詰められていく主人公の焦燥感が濃密なサスペンスを生み出している。
本作の最も優れた点は、殺人者の歪みに歪んだ動機にある。臓器移植の問題点を上質のミステリの中に盛り込み、見事なミスディレクションによって謎解きの快感へと繋げていく。
はりめぐらされた伏線が素晴らしい効果を生んでいる。コナリーを見直した。
評価 ★★★★★
- 作者: マイクルコナリー,Michael Connelly,古沢嘉通
- 出版社/メーカー: 扶桑社
- 発売日: 2002/11
- メディア: 文庫
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