海外ミステリ・レビュー

……新旧の積ん読本を崩しつつ

「007/ロシアから愛をこめて」イアン・フレミング

ジェイムズ・ボンド第5作。
ド派手な映画とは違い、発端から結末までじっくりと描いており、前半のソ連情報部の長いパートにボンドは登場しない。特に一匹狼の殺し屋には力を入れている。ラストでは、あっさりとやられてしまい、殺し屋の狂気が巧く生かせていないのが残念。
トルコでのジプシーらとの交流、オリエント急行の旅など、印象に残るシーンもあった。
けれども、終わり方が尻切れトンボだ。

評価 ★★☆

 

007/ロシアから愛をこめて (創元推理文庫)

007/ロシアから愛をこめて (創元推理文庫)