海外ミステリ・レビュー

……新旧の積ん読本を崩しつつ

「消えた消防車」マイ・シューヴァル&ペール・ヴァールー

ベックシリーズとしては凡作だろう。
冒頭に不可解な殺人が起こって以降、捜査は遅々として進まず、展開に大きな起伏がある訳でもない。
けれども、最後まで読ませてしまうのは、登場する刑事一人一人が生き生きと描かれており、そのやりとりの楽しさが作品に深みをもたらしているためだろう。

評価 ★★☆

 

消えた消防車―推理小説 (角川文庫 赤 520-3)

消えた消防車―推理小説 (角川文庫 赤 520-3)