海外ミステリ・レビュー

……新旧の積ん読本を崩しつつ

「クリプト・マン」ケネス・ロイス

元盗人ウイリー・スコットを主人公とするシリーズ第6作。翻訳されたのは本作からで、以降三作が紹介されている。主要な人物らのそれまでの経緯が分からないため、なかなか関係性が掴めないのが難。蜘蛛のようにビルの壁面を登り下りできることから、スパイダーと呼ばれている。過去に諜報機関に利用されて、ソ連KGB内に敵も作っていたらしい。ストーリー展開はテンポ良く、適度な活劇も盛り込んでいるが、ヒーロー小説として印象に残るものがなく弱い。
評価 ★★

 

クリプト・マン (サンケイ文庫―海外ノベルス・シリーズ)

クリプト・マン (サンケイ文庫―海外ノベルス・シリーズ)